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注意せずに子どもの行動を変える方法(低学年用)

本記事では、注意せずに効率よく子どもの行動を変える方法を紹介します。注意や指導が悪いというわけではありません。本ブログは、確固たる教育論を持ってみなさまに何かを訴えかけるために存在するわけではありません。本ブログの目的は、小学校の先生方が少しでも楽に仕事をしていただけるようサポートすることです。低学年(1、2年生)の子たちに、先生が望んだ動きをしてもらうには、注意や指導だけだと効率が悪いことがあります。ここで紹介する方法は、低学年の児童に向けた指導についてですが、中学年や高学年になっても、低学年の心や考え方を持ち続けている子どももいます。指導方法をうまくカスタマイズすれば、そういった子どもたちにも効果的に働きかけることができるかもしれません。

行動を変えるべき子どもについて

学級の子どもたちは、以下の三つの層に分けられます。

  1. どんな時でもやるべきことをやろうとする子どもたち(約1割)
  2. どんな時でもやるべきことをやるのが難しい子どもたち(約1割)
  3. 学級の雰囲気次第でやればできる子どもたち(約8割)

このうち、「学級の雰囲気次第でやればできる」8割の子どもたちの行動を変えることができれば、学級全体に指導・指示を効率的に行うことができ、学級の運営が非常に楽になります。

②のどんな時でもやるべきことをやるのが難しい子どもたちは、他の子どもたちの邪魔をしていないなら、できていなくても少し放っておいても良いです。学級の9割がしっかりできている状況を達成できると、残りの1割の子たちも、できるようになる方に動きだします。(もちろん、その子たちにとっては、難しいからできていないことなので、ある程度特別な支援は必要です)

できている子をほめる

最も簡単で効果的な方法は、できていない子を指摘するのではなく、できている子を見つけて大袈裟にほめることです。そして、ほめられた子の行動を真似して改善した子もほめましょう。

例えば、姿勢の悪い子がいた場合、その隣の姿勢が良い子をほめます。すると、姿勢の悪かった子も姿勢を直すようになります。この方法をぜひ試してみてください。

ほめるポイント

以下の二つの行動をしている子どもをほめることが重要です。

  • みんながしてくれたら、助かる(学級経営が楽になる)行動をしている子
  • みんながしたら困る行動をしていない子

具体的なほめ方

ほめるときは、必ずみんなに聞こえる声の大きさで伝える事がすごく大切です。

以下に例文を示しますが、その例文の前に「えぇー!!!!」と、感嘆のリアクションを付け加えて更に大袈裟にほめるとさらに良いです。

「○○さん、朝の用意もう終わったの?素晴らしい」

「○○さん、自分のこと終わったら、友だちにやり方を教えてあげてたね。すごくすてきだったよ。」

「〇〇さん、今ゆずってあげてたよね。かっこいいね。スーパー1年生だね。」

「〇〇さん、次の準備までもうしたの?すごいね?みんなができると時間が作れるから楽しいことできるね。」

「○○さんの注意の声のかけ方優しいね。普通はきつく言っちゃうんだよ。」

「○○さん、自分のこと終わったあとおしゃべりするんじゃなくて、聴く姿勢で待ってくれてるね。ありがとう。」

など

この方法が効果的な理由

できていない子は、自分ができていないとは思っていない場合が非常に多いです。また、できていない子の多くは、聞く事が苦手です。そのため、注意しても、どこを改善すればいいのかわからない子もいます。しかし、この方法では、児童の行動を目立つようにほめることで、できている姿や目指すべき姿を視覚的に提示することで、子どもたちが自分の行動を改善する方向を明確に理解させることができます。

また、この方法では、「やらなければいけない」というネガティブな理由ではなく、「ほめられたいからやりたい」という前向きな理由で行動を変えるため、クラスの雰囲気が良くなります。そして、できている子にしっかりと目を向けることで、学級に8割いる「学級の雰囲気次第でやればできる子どもたち」が、できるようになることを目指すようになります。

子どもたちが意欲的になれる間接的な表現で指示する

「ろうかは静かに歩きましょう。」などのように、直接的な表現だとなかなか子どもたちは意欲的に取り組む事ができません。直接的な表現からより遊び心を含んだ表現に言い換えることができると、子どもたちが楽しみながら参加できます。この方法は子どもたちにとっても退屈な行動(静かにする、並ぶ、待つなど)に、すごく効果があります。子どもたちは何もしないことが非常に苦手で、何もしないでいい時間があると、筆記用具を触り出したり、友だちにちょっかいを出したりします。なので、子どもたちに何か活動をさせる指示に変えることができれざ、子どもたちは活動をしているにもかかわらず結果として教員の目的を達成されます。

「ろうかは静かに歩きましょう。」→「忍者で歩こう。」子どもたちは忍者になりきる活動をします。結果として足音さえたてなくなります。手裏剣を投げ出す騒がしい子が出てしまうことがありますが、その子の行為には触れず、物音をたてずに歩いている子たちを「ほんとの忍者だね、〇〇さんは絶対見つけられないね」と、望ましい行動をしてる子だけをほめると良いです。

「活動が終わったら、先生を見てください」→「終わったら、目でできたビームを先生に飛ばして」子どもたちは、先生を見つめる活動をします。先生と目があった子をどんどんほめていくとよいです。

「まっすぐ並びましょう」→「前の子に隠れて」ただ、まっすぐ並ぶ活動から、かくれんぼをする活動になります。結果として、列がまっすぐになります。また、発展させてそのまま、座らしていくと、体育などで話を聞く姿勢にまでもっていくことができます。

など

このように、指示を遊び心を含んだ表現や、子どもたちに活動させる表現に変えることで、子どもたちはより積極的に行動し、子どもたちに負担なく教員が望む行動をとってくれるようになります。

してほしくない行動ができない仕組みにする

[体育の時間の体操の隊形の時に、ふらふらしていつまでも並べないとき]

体育の時間に体操の隊形(普通の整列よりも少し広めに並ぶ並び方)に並ぶときに、次から次へと、ふらふらする児童が現れ、並べいた子もふらふらしだし、いつまでも綺麗に整列できない場面はよくある。この解決策は非常に簡単である。並べた子から座らせていけばいい。座らせてしまえば、その後ふらふらすることはない。

このように、してほしくない行動をそもそも取れない仕組みや指示の出し方をすると、注意の必要がそもそもなくなる。

まとめ

本記事では、注意せずに効率よく子どもの行動を変える方法を紹介しました。「子どもたちが意欲的になれる間接的な表現で指示する」や「してほしくない行動ができない仕組みにする」は、目的によっていろんな表現や、方法が存在します。例に関しては、こういう時どうすればいいですかと、問い合わせ等で来たものについて、追加していけたらと思います。